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科学では説明できない奇妙な話 怪奇ミステリー篇

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価格:¥ 473
河出書房新社


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 平穏な日常を引き裂く、身の毛もよだつ現象。浮かび上がった怪しい因縁とは?! 戦慄の出来事にゾッとなる! 科学では説明できない恐ろしい体験の数々は、単なる偶然なのか、それとも……


抄録(「電子書店パピレス」より)
   死者のヒッチハイク

 「いとこ思いのやさしい少年」がどうしても家に帰りたかった本当の理由

 中部地方の地元紙の片隅に、ある日、こんな囲み記事が掲載された。
 「幼いいとこにバースデーケーキを! 事故死したやさしい少年の心よ届け!――6月×日夜7時ごろ、岐阜県E郡近くのEトンネル近くの崖《がけ》に高校2年生M君(16歳)が、自転車ごと転落、即死した。しかし、この直後、そうとは知らずに、この事故現場にバイクで通りかかった専門学校生F君(21歳)がいた。そのF君が語る不思議な感動体験を紹介しよう」
 記事は、つぎのような興味深い話を伝えていた。
 ……そのとき、トンネルの入り口の脇に、バックパックを背負った詰め襟《えり》姿の少年がポツンと立っていた。F君のバイクが近づくと、少年は大きく手を振ってF君のバイクを止めた。
 「僕はY町のMといいます。市内に下宿してB高校に通ってるのですが、今日中にどうしても実家に帰りたいんです。バイクに乗せてもらえませんか」
 B高校といえば、県下屈指の進学校だ。言葉づかいもていねいで、しっかりした少年だと思ったF君はその申し出を快諾《かいだく》し、バイクの後ろにM君を乗せた。
 道々少年に聞くところによると、その日はM君の実家に同居するいとこのA君(11歳)の誕生日で、M君はいとこのために市内の人気菓子店のバースデーケーキを購入した。しかし、バスに乗り遅れてしまい、やむなくおよそ30キロもの道のりを自転車で帰りはじめたところ、トンネルの前でスリップして横転。自転車が壊れてしまった。クルマも通らず、途方に暮れていたところ、F君が通りかかったのだという。
 20キロほど走り、ようやくM君宅に近づいたころ、パトカーがサイレンを鳴らして走ってきた。F君がそのパトカーに気をとられていたほんのわずかなあいだに、F君の背中にしがみついていたはずの少年の姿が消えていたのだ。
 F君は周囲を見回しながら、こう思った。
 「ヘルメットをつけてないから、警官に叱られると思って逃げだしたのかなあ。それにしても、一言も礼もいわずに消えるなんて……」
 3日後、たまたまM君の家の前を通りかかったF君は、信じられない光景を目にすることになる。その家は葬儀の最中で、祭壇《さいだん》の遺影にはあのM君の顔があったのだ。M君が亡くなったのは、ちょうどあのとき、あの場所だったという。
 F君は仰天のあまり声がでなかった。かわいがっていた、いとこにケーキを届けたいという少年の魂が、その思いをF君のバイクに託したのではないか。F君が長い焼香《しょうこう》の列にくわわったのはいうまでもない。
 記事で「F君」と紹介された古屋直樹は、「新聞記者もいい加減だよな。でも、こう書けば、誰も傷つかないってわけか」と、妙な納得をした。古屋が新聞記者に語った真実は、これとはすこし違っていたのだ。
 古屋のバイクに乗った少年M――真鍋俊一は、「いとこ思いなんだね」という古屋の言葉に、「冗談じゃないですよ。男と借金つくったあげくに離婚したバカな叔母《おば》が、いとこに当たる明夫を連れて、母と祖母が暮らす実家にころがりこんできたんです。叔母は亡くなった父の妹で、祖母にとってかわいいひとり娘なんです。だから、叔母は自分のやりたい放題。息子の明夫の誕生日は家中で祝ってほしいなんて、そのうえ、明夫がどうしても人気菓子店のケーキじゃなくちゃ嫌だってダダこねて……。僕がケーキを買ってくることになったんですが、僕はあさってから期末試験なんですよ。イヤだといえば、母が祖母や叔母にいびられるし、まったく不公平ですよ」
 そういえば、あれだけの風とエンジン音の中で、真鍋の声がはっきり古屋の耳に届いたのは、不思議といえば不思議だった。
 「不公平って?」
 「あいつは成績も性格も最低です。最悪なんです。弱虫でどんくさいくせに、乱暴で、わがままで、僕が叱ると、『お兄ちゃんがいじめたよー』って大きな体で、泣きながら祖母や叔母にいいつけるんです。赤ん坊のころから体が弱かったからといって、皆で甘やかすから、あんなにぶくぶく太って。小学生のくせに、僕より重いんですよ。どうしてあんないとこのせいで、僕がこんな目に遭わなくちゃならないんですか」
 そのとき、例のパトカーとすれ違ったのだ。おそらく真鍋が自転車ごと転落したEトンネルの近くの崖へむかう警官たちだったのだろう。
 しかし、ことはこれで終わらなかった。この新聞記事が掲載された日、ちょうど真鍋の初七日にあたるその夜、彼の実家が全焼したのだ。原因は、真鍋に捧げられた線香とろうそくの火の不始末だった。他の家族は自力で脱出したが、“弱虫でどんくさい”いとこの明夫だけは、2階から飛び降りることができずに焼死した。
 その火事の最中、近所の何人かは、炎に包まれた家の中から、「お兄ちゃん! ごめんね! ごめんね!」と泣き叫ぶ明夫の声をたしかに聞いたという。


著者について
 ミステリーゾーン特報班
 この世に起こる心霊現象、奇妙な事件・事故など、さまざまな不思議な出来事を追究するグループ。ミステリーの現場や人々の超常体験を取材調査し、科学では解明できない“もうひとつの世界”があることを、広く世間にアピールしつづけるのが、主な活動である。著書には『霊がそこにいる』『【呪術】世にも不気味な物語』『新【大予言】世にも不思議な物語』(小社刊)がある。

■ 目次

1章 不吉な怪奇ゾーンに迷い込んでしまった人々
 駅の下の住人
 骸骨と結ばれた男
 別れの部屋
 天国に導く台詞
 噂のカラオケボックス
 ダムの底から呼ぶ女
 首くくりの木
 樹海に届くeメール


2章 凶悪な怨念に付きまとわれ恐怖現象に見舞われた人々
 死者のヒッチハイク
 読経の響く校舎
 胎児が映るパソコン
 不吉なスポーツカー
 呪われたトイレ
 深夜の訪問者
 姿なき赤ん坊
 残されたオウム
 鮮血のネックレス
 赤ちゃんは待っている


3章 愛すべき動物の死を境に不気味な異変に苛《さいな》まれる人々
 復讐の牙
 「やらせ」の後始末
 猫は夢で訴える
 お犬さまの悲劇
 ヘビと連続死
 カラスの御礼参り
 共食いペットショップ
 イグアナの棲む教会
 残酷な再会
 人をさらう鯉
 天国からの救助犬


4章 この世に執着し彷徨《さまよ》う魂に翻弄《ほんろう》されつづける人々
 壁に住む家族
 天使の償い
 杖をちょうだい
 約束の家
 理不尽な自殺者
 死者からの電話
 一人足りない!
 引き出しに座る影
 あの世からのリーチ
 白骨ラーメン街道
 招かざる客
 ささやかな贅沢


5章 戦慄《せんりつ》の因縁《いんねん》が引き起こす忌《い》まわしき不幸に襲われた人々
 自殺に誘う手
 身投げ土蔵
 幻の負傷兵
 顔が動く天井
 午睡の悪夢
 血の湯が沸く風呂
 東風吹かば
 妻に捧げる紅い花

■ カテゴリ




「科学では説明できない奇妙な話 怪奇ミステリー篇」紹介ページの最終更新日時
2006年4月8日 21:22:16
ID:119
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。